子育て30代の貯蓄試算 5%の節約と年利1%の運用はどちらが得か
駐在員へらじか @Moose_Fukui です。
正月ごろから、ライフプランのシミュレーションをしようと妻と話しながら腰が重く取り組めていませんでした。今回Twitter上でジンさん @jin_walletplus1 が公開されていたテンプレートを使って60歳までの資産推移を計算。さらに節約と運用ではどっちが重要なのかを試算しました。30代の子育て世代、そして誰より妻に向けてまとめます。
- シミュレーションの条件は一馬力、賃貸、大学から私立
- 試算結果、2028年から貯金ができなくなる
- 投資運用と節約、資産形成に効果があるのはどっち?
- パターンA. 年利1%の資産運用
- パターンB. 生活費の5%節約
- まとめ 我が家の場合は運用利回り1%と5%節約では同じ効果がある
シミュレーションの条件は一馬力、賃貸、大学から私立
まず、今回参考にさせていただいたのは、おさいふプラスのこの記事です。
記事の後半にあるテンプレートをダウンロードして使わせていただきました。
その他、主な試算の条件は以下のとおり。ジンさんのテンプレートは子供1人世帯だったので、2人目の列は自分で追加しました。
・日本へ帰国後の年収、へらじかの一馬力、賃金上昇率1.5%
・帰任後に新車購入、乗りつぶした後は車無し
・家は福利厚生扱いの賃貸に10年、その後自分で賃貸
・子供二人はテンプレ通り小中高が公立、大学は私立文系
本気でシミュレーションするなら子供が中学から私立に行く場合だったり、妻が仕事に復帰してダブルインカムになるケースや2回目の駐在なども考慮しなくてはならないのですが、今回は一番シンプルにやっています。
複雑にすると精度はあがるかもしれませんが、何より手間がかかり、見返す気も起きなくなってしまうので。過去に数回作ったままほったらかしのライフプランがありますし、今回も正月からアクションが取れていないのもまさにこの理由。
ジンさんもおさいふプラスの記事中で以下のように言及されています。大いに賛同できます。
複雑なシミュ―レーションは、ま、手間になります。
手間になると、毎年見直すのが面倒くさくなります。
そして、見直さなくなります。
私もそうでした。
そのため、できるだけシンプルにして覚えやすいようにする。
というのが大事なポイントかなと思います。
試算結果、2028年から貯金ができなくなる
黄色い棒グラフが年間の貯金額、青い折れ線が総資産を示しています。
2028年ごろから子供の進学に伴って単年で赤字になり、総資産が減るのがよくわかります。
また時期が悪いことに、その頃には会社の福利厚生扱いが切れ、自費で賃貸物件に住むことになるため、まったく貯金ができなくなります。
子供が小さいときが貯め時とはよく言ったもの。自分のお財布をベースにシミュレーションするとその言葉の重さが身にしみてわかります。
ちなみに、ダウンロードから作成まで所要時間は5分もかかっていません (グラフは除く)。いつかやろうと思っている方は、今すぐトライする価値があるかと思います。
投資運用と節約、資産形成に効果があるのはどっち?
上のシミュレーションを行った後、現在行っている資産運用の利回りを考慮していなかったことを思い出しました。同時に、もし生活費を抑えたら20年後、30年後の資産はどうなるんだろうという興味も。
そこで、上記テンプレートを少し改造して以下2パターンの比較シミュレーションを行ってみました。
A. 資産運用によって年間1%(複利)の運用益を得る。
B. 節約によって生活費の5%を減らす。
利回りをもっと大きく取ることも、一層節約をすることも可能かもしれませんが、ここでは無理がなく、決して不可能ではないレベルで実施した場合を想定しました。
リスクを大きくとった運用や生活を切り詰めて無理をするような節約は、どちらも妻がハッピーではないためです。
パターンA. 年利1%の資産運用
子供の進学に伴い支出が大きくなるという傾向は変わらないものの、20年後の2038年に約1000万円まで落ちこんでいた資産額が1377万円へと改善しています。
同様に、60歳時点での資産額は2228万円と、最初のケースよりも464万円のプラス。
1%のリターンでこの差なので、時間を味方にした複利の力の大きさを感じます。
求めるのが1%であればハイリスクな商品に手を出す必要は無し。また、貯金額の3分の1を利回り3%で運用することでも得られるリターンなので、ある程度現実的な数字かと思われます。
続いて、節約を行った場合を見てみます。
パターンB. 生活費の5%節約
折れ線グラフの動きは上のパターンAと変わらず、60歳時点での資産額も2209万円、最初のケースよりも445万円のプラスと、ほとんど変わらない結果になりました。
特筆すべきは、2028年から2032年ごろにかけて赤字に転落していないこと。
60歳時点ではパターンA. 運用 の方がわずかに優れた結果が出ているのですが、単年の収支がマイナスになる年が無いパターンBも精神的にメリットがありそうです。
まとめ 我が家の場合は運用利回り1%と5%節約では同じ効果がある
パターンAとBいずれの条件も、生活に無理がない範囲の努力として思いつきで設定しましたが、資産形成に対する効果はほぼ同じという結果が出たことは収穫でした。
これで、無理して5%、10%を狙うようなハイリスクな運用をする必要もなければ、爪に火をともすように生活を切り詰める必要もないということがわかったので妻を安心させられそうです。
ちなみに、運用と節約のどちらも行うと当然ながら相乗効果が生まれます。その結果は最初のケースとの比較でプラス968万円。
複利での運用と少しの節約という習慣を数十年続けることで約1000万円も得することになります。
こうなると、子供が中高から私立に行った場合にも対応ができるかもしれません。
お金の話は先が見えないと不安になりますが、今回のシミュレーションのおかげで妻と前向きに貯金や運用の話ができそうです。
ライフプランはシンプルに作って定期的に見直す。将来2度目の海外駐在の可能性もあり人生が大きく動く我が家にはこのスタイルが合っているのかも。無理のないように続けていきたいと思います。
現在の資産額と投資に充てている金額についてはこちらから。アメリカで得たドル資産は積極的に運用に回しています。
日本への帰国後は税制優遇策を積極活用する予定です。海外から日本へ帰る方向けにNISAとiDeCoの加入条件やメリットをまとめた記事はこちらから。