駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

就活では教えてくれない 海外駐在員の1日アメリカ編

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駐在員へらじか (@moose_fukui)です。

春は就職活動や入社シーズン。海外勤務したい新入社員や反対に海外勤務したくない学生向けに、日系メーカーのマーケティング駐在員の1日のスケジュールを紹介します。一口に海外勤務と言っても日本との時差は国によって違うので、アメリカの特に東海岸で働くイメージが付いてキャリア選択の一助になれば幸いです。

 

駐在員へらじかの基本情報:年齢、職種、家族構成など

30代前半、 日系メーカーのマーケティング職として2015年からアメリカ北東部、某州の田舎町に駐在しています。家族は妻、3歳の娘、1歳の息子です。

先日、海外勤務者が多いトップ200社ランキングという記事を東洋経済オンラインでたまたま見ましたが、へらじかの勤務先もここに入っていました。

年収や待遇については「給与」と「年収」の過去記事にそれぞれ月給ベース、年収ベースで詳しく書いています。

 

アメリカ駐在員 ある1日のスケジュール

オフィス勤務の1日、代表的なスケジュールをまとめました。朝5時起床、夜10時就寝の内訳は以下のとおりです。

パイチャート作成には24時間サークルメーカーさんを使わせていただきました。

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アメリカ東海岸に住む日系メーカー駐在員の1日のスケジュール

 

朝の2時間はブログ執筆や資産運用の勉強という自分の時間

朝5時おきのスタイルが定着したのは直近1年ほど。子供の世話と仕事で昼間や夜に自分の時間を取ることができなかったので、自然とこのようになりました。

当初エンジェル投資家のインタビュー記事に魅入られて以来、世界が広がるのが楽しくて読んだり書いたりが習慣になりました。ブログの記事作成やコメント返信、株や資産運用の勉強、Twitter巡回など短いですが濃い時間を過ごしています。

前日夜は極力早めに寝るように心がけているので、朝はスッキリ。日本の本社とのテレビ会議がない日は夜8-9時に子供と一緒に寝落ちすることも。眠気には逆らいません。

朝は子供の起床と着替えというお尻が決まっているので、時間内にブログを書き上げるための集中力も付いてきた気が。

前の日に遅くまで日本の本社とWeb会議・電話会議をしていた時は、無理せず朝6時半まで寝ます。体に負担をかけてまでブログなどを義務化すると続かないのは目に見えていること、寝不足だとつい子供にイライラしてしまうことが2大要因。

その後、妻が朝ごはんを作ってくれている間に子供を起こし、着替えさせ、娘を車でデイケアに送り届けてからオフィスに出勤です。

 

昼間は同僚とのミーティングや資料作成等、アメリカの仕事

昼間は主にアメリカ側の仕事を中心に進めます。同僚はほぼみんな家族第一、残業なんてしない派。子供のイベントがあれば午後には帰って自宅勤務、なんてこともあるので捕まえたい人は朝のうちに捕まえます。

日本からのメールは至急で対応が必要なものに目を通し、上の理由から、捕まえづらいアメリカ側の意思決定者の予定を抑えます。

その他の働き方は日本のメーカーのそれとほぼ同じ。アメリカ市場のお客さんの声を集めたり、まとめたり、広告作ったり、新製品の発売準備をしたりということを日本語と英語を使い分けながらやります。

 

夜は日本時間の朝に合わせてTV会議やWeb会議

夕方5時にはオフィスを出て、デイケアから娘をピックアップして帰宅。6時から7時の間に子供をお風呂に入れて、夕飯を済ませます。この1-2時間はスピード勝負。

冬の時期はアメリカの夜7時が日本の9時。日本の始業に合わせてテレビ会議やWeb会議が始まります。

これが西海岸での駐在だったらだいぶ環境が異なり、夕方4時が日本の朝9時なので家に帰ってまでWeb会議ということが少なくなります。アメリカ支社への駐在を考えている方は、オフィスのロケーションが西海岸なのか東海岸なのかで世界がちょっと変わるのがポイントです。

 

他国の駐在員の時差事情

ヨーロッパの同僚は「午前中は日本の仕事の時間と割り切ってる」と言っていました。時差の関係で日本の夕方がヨーロッパの午前になるため、必然と午前中は本社対応とのこと。

中国の同僚は日本とほぼ同じ時間帯で生きているので、日中に普通に日本との電話や会議ができる。

言ってみれば当たり前の話ですが、駐在員という立場では時差は1日のスケジュール確立のための大きな要素になります。

冬時間で14時間の時差があるアメリカ東海岸ではどう逆立ちしてもアメリカの昼間に日本の本社とコミュニケーションをとることはできないので、夜間の電話、会議は避けて通れない宿命。

この感覚を持たずに渡米したへらじかは、帰宅後に仕事をしたことで奥さんに散々文句を言われました。。

 

欧米アフリカ駐在員は、日本の冠婚葬祭のためには帰りづらい

中国やタイなど東アジアに勤める友人は冠婚葬祭のために日本に帰ることができているようです。フライトが3-4時間となれば、週末に1日プラスして休みがあれば時間的にもコスト的にも問題ないレベル。

一方で欧米アフリカの駐在員は、自分も含め、年に数えるほどしか帰国のチャンスはありません。直行便だとしても片道十数時間、フライト代もかかるので家族で帰るというのは大仕事です。

ビジネスの経験は積めたとしても、冠婚葬祭への参加ができなくなってしまうというのは仕方のないトレードオフ。欧米アフリカ志向の新社会人・学生の方はそのことを念頭に入れてキャリア形成をされるといいと思います。

 

まとめ: 駐在員を狙うことなかれ

ここまでアメリカ駐在の代表的なスケジュールについて紹介してきましたが、もしこの記事を読んでいるあなたが20歳なのだとしたら駐在員よりも自分の力で生きていける道を勧めます。研究職や、専門職など。

なまじ駐在員という立場なので、昼間と夜のダブルワークは完全には避けることはできません。これがアメリカ現地で採用され、自分のスキルで食べていける職なら夜7時から数時間のテレビ会議や電話会議をする必要がなくなるからです。 (その分、雇用の保証がないシビアな世界ではありますが)

駐在員を経験したいま改めて思うのですが、自力で生きていける人は圧倒的に強く、へらじかにとっては憧れの対象です。

理系のあなたは好きを突き詰めて、海外でも活躍できるくらいとんがってください。

文系のあなたも、シリコンバレーで生きていけるくらいの広い視野と経営者目線を磨き続けてください。

もし専攻が弱く、突き詰められるほどの特技がないあなたにとっては駐在員はいい転機だと思います。入社したての自分がTOEIC400点だったように、社会人になってから環境を変えることができて広い視野を得られるチャンスがあるのが、駐在員という不思議な職業です。

TOEIC 400点時代の勉強の心構えについては「TOEIC400点からアメリカ駐在までに使用した英語学習教材と、勉強に対する心構え」をご参照ください。

まとまりが無くなってしまいましたが、20代の方がこの記事から何かしらのエッセンスを拾ってキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。

こんなの割に合わないから駐在なんて嫌だ!という決心がついたとしたら、それもこの記事の狙いのひとつです。

 

お金という観点からのアメリカ生活が見える記事は「2017年版海外駐在員の給与 in アメリカ」へ。物価の高い国で安全に暮らすためのコストや駐在員の収入の一例をオープンにしてみました。

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