アメリカのクレジットカードを10枚作ってもクレジットスコアが下がりにくい理由
駐在員へらじか (@moose_fukui) です。
アメリカのクレジットカード特典を利用して、過去2年間で夫婦合計80万マイルを獲得した方法を公開してきました。カードを作るとクレジットスコアは下がるのがアメリカの常識。年間何枚もつくるへらじかのスコアは相当低いのだろうと想像されるかもしれません。
実際にはそんなことはなく、カードを作ってもスコアが少ししか下がらない状況を作り出しています。その理由を詳しくご説明します。これからこの趣味を始める方への参考になれば幸いです。
- 論より証拠、へらじかのクレジットスコアは761
- クレジットスコアを決める要素は5つ
- カード作成がクレジットスコアに与える影響(事例)
- カード枚数が増えるほど新規作成時のスコアは下がりにくくなる
- まとめ
論より証拠、へらじかのクレジットスコアは761
Amexのアカウントから見たへらじかのスコアは現在761です。Very Goodとされる700台後半で横ばいに推移中。
最高値は3月から8月の775で、その後カードを作成した影響で761に下がっています。このとき作ったカードによるスコア減少幅は14だったと推測できます。
このくらいのスコアがあると、一般的なクレジットカードの審査には落ちません。
ブラックカードやプラチナカードは試していないので (年会費が高いのでへらじかの選択基準外) わかりませんが、ゴールドカードのレベルなら問題なく審査に通っています。
クレジットスコアを決める要素は5つ
カード作成によるスコアへの影響の前に、まずはクレジットスコアがどのように計算されているのかを知る必要があります。
アメリカの大手サイト、creditcards.comの「FICO's 5 factors: The components of a credit score」という記事によると、5つの要素とその占める割合は以下の通り。
1. Payment History (ローンやカードの支払い期限を守れているほど良い)・・・35%
2. Credit Utilization (限度額に対するカード使用率が少ないほど良い)・・・30%
3. Length of Credit History (カード保有期間が長いほど良い)・・・15%
4. New Credit (カードの新規申し込みをすると下がる)・・・10%
5. Credit Mix (ローンやカードの内容)・・・10%
冗長になってしまうため上記5つの要素それぞれについての詳細な解説はここでは控えますが、アメリカではカードを使わないほうが偉いというシステムにはなっていません。
むしろ、カードを使い、きちんとその支払いを行う能力が評価されていると言えます。
上記5つの要素を満たすにはシンプルに、カードを作成し、期限内に払うことを意識し、その習慣を長く続けるだけです。
カード作成がクレジットスコアに与える影響(事例)
新しくカードを作ると、上記2.3.4.番にそれぞれ影響があると言われています。
2.のクレジット限度額は増えるのでスコアに良い影響、3.のカード保有期間は平均値で計られるため悪い影響、4.新規のカード申し込みは悪い影響が、それぞれあります。
わかりやすく、ある駐在員の例をもって説明します。
事例1:渡米後1年のケース
駐在員へらじかさんは2015年に渡米し、ANA USAカードを持ち始めました。その限度額は10,000ドル。約1年間保有したことで、クレジットスコアは720になりました。
へらじかさんは新しくSPGカードを作成、その限度額は10,000ドルでした。
この時点で3つの要素をそれぞれ計算すると、以下のようになります。
2.クレジット限度額は2枚合計で20,000ドル
3.カード保有期間の平均は、1枚が1年、もう1枚が0年なので、0.5年
4.新規カードを作ったばかりなので、10ほどのスコア低下
この要素が組み合わさった結果、翌月のへらじかさんのスコアは25下がって695になりました。
事例2:渡米後2年半のケース
駐在員へらじかさんは渡米から2年半で9枚のカードを作成しました。その限度額は合計約90,000ドル。クレジットスコアは775でした。
このタイミングでへらじかさんは新しくDelta Gold Amex Cardを作成、限度額は10,000ドルでした。
2.クレジット限度額は10枚合計で100,000ドル
3.カード保有期間の平均は、約1.2年
4.新規カードを作ったばかりなので、10ほどのスコア低下
これらが組み合わさり、翌月のへらじかさんのスコアは14下がって761になりました。
カード枚数が増えるほど新規作成時のスコアは下がりにくくなる
上で書いた2つのケースから読み取れることをシンプルに書くと次のとおり。
・カード枚数が増えるほど限度額=信用が高まるのでスコアが上がる。
・保有期間は平均値のため、保有枚数が多いほど新規カード1枚の下げ幅は小さくなる
つまり、カードを作れば作るほど、そしてそれらを持ち続けるほど、スコアが上がりやすく下がりにくい状況を作り出せます。
まとめ
クレジットスコアとカード作成の関係についての実例を交えた解説は以上です。
お金に関わることなのであくまで自己責任の世界ではありますが、実際に2年で10枚を作った経験をまとめたので、今後この趣味を始められる方へ少しでも参考になれば幸いです。
次の記事は、作ったカードの解約方法やそのテクニックについて。作った分だけ解約が必要ですし、解約するとカード保有期間平均が下がるので、その際の検討材料として。
夫婦累計80万マイルを稼いだ完全ガイドを未読の方はこちらから。