駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

海外駐在員が語る、TOEIC650点で伸び悩んだ時の対策例

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海外駐在員へらじかです。

社会人になってTOEIC400→750点まで勉強し、2015年からアメリカに海外赴任しています。以前書いた音読学習に加えて、自分がスコア650点で伸び悩んだ時に行った対策を紹介します。その方法は大学の社会人講座を活用することでした。

基礎は音読トレーニングと再開力

英語学習の方法として大事なのは音読、心構えとして大事なのは再開力だと前回の記事に書きました。また、英語は学習ではなくトレーニングだということも書いています。

TOEIC400点からアメリカ駐在までに使用した英語学習教材と、勉強に対する心構え

これらを行うのに特別なスキルや難しいことはありません。強いて言うならモチベーションの維持です。

運動でも音楽でもなんでもそうですが、トレーニングを続けるとどうしても中だるみが生じます。運動なら試合があり、音楽なら発表会があるように、テンションを維持するためにはイベントを作るのが効果的です。

それはTOEIC試験でもいいのですが、この試験で2回、3回と連続で同じ点数を取るとトレーニングの効果が出ているのかどうかわからず不安になり、やる気も低下しがちです。自分も実際にTOEIC650点くらいの頃に一度伸び悩んで、飽きが出た時期がありました。

試合や発表会に相当するものとして自分が選んだのは大学が開催する英語講座でした。公開講座、社会人講座など呼び方は様々ですが、都内の大学の多くがこのような講座を持っており、その大学の卒業生ではなくても申し込みが可能です。

自分の場合は勤務先から比較的近いという理由で、2013年に法政大学、2014年に明治大学に通いました。

 

社会人向け講座の良い点は夜間授業、格安、ネイティブ講師

・仕事終わりに受講できる

→社会人向けなので、7時とか8時から開始してくれます。仕事終わりに通うのにちょうどよい時間。

・英会話スクールより格段に安い

→スクールの学習効率は高いのだろうと思いますが、費用対効果という面では大学の講座に分があると思います。3-4ヶ月の期間、週1回のグループ授業という同条件で比較しても、大学講座は3-4万円程度なのに対してマンツーマンの英会話スクールは12-15万円。値段の分、3-4倍の学習効果があるかというと疑問です。

・ネイティブの先生が教えてくれる

→安かろう、悪かろうではなく、ネイティブスピーカーのアメリカ人の先生が教えてくれました。

・大学の学食や図書館が利用可能

→英語には直接関係無いのですが、学生証をもらえるので図書館や学食、生協が利用できます。仕事の後、授業の前に安く晩御飯が食べられるのと、学生気分をもう一度味わえるのがメリットです。

 

社会人向け講座の悪い点は授業の振り替えができないこと

・振り替えが効かない

→英会話スクールだと欠席分を他の日に振り替え可能ですが、大学講座は不可のところが多いです。安い分、英会話と比べてサービスの融通がきかないのは仕方ないですね。残業してしまうと参加ができないので、その曜日だけは残業しないように気をつけました。(それでも繁忙期は何度か欠席してしまいました)

 

学習を狙わない。目的はあくまでモチベーション維持

そもそも論ですが、英会話学校に通うだけで英語力が伸びるということは無いと思っています。ネイティブスピーカーと話す機会が増えるので度胸はつきますし、宿題が出ればそれを次週までにやろうと努力するので伸びる可能性はありますが、英会話学校「だけ」で伸びることは困難。

自分の動機も、一人で学習することに飽きてしまい、周りとの比較をして自己学習の効果を確かめたかったことや、話すというアウトプットの時間を増やしたかったのが主です。

この目的の場合はやはり、高額な英会話スクールよりも大学の講座が投資対効果の観点では合っていたように思います。

 

職場では劣等性でも講座では優等生

海外赴任前にいた海外マーケティング部門では、周りは帰国子女や駐在経験者が多く英語が話せる人ばかりでした。上司も帰国子女だったので、どれだけ勉強しても追いつかず、海外とのテレビ会議をやるたびにレベルの差に打ちひしがれていました。

これも、英語学習の飽きの原因の一つでした。伸びているはずなのに実感が無い。つまらない、というループ。

ところが大学の講座では、そのクラスの中では1-2番にできる子になれました。周りの受講生もほとんど、将来海外部門で働きたいとか、海外のお客さんと仕事するから勉強したいという動機をもっていたので、レベル感も同じ。その中では、テレビ会議やほんの1-2回の海外出張経験でも差になり、ちょっとした優越感に浸れました。

いやらしい話ですが、この優越感を味わうために通ったふしがあるので、他の受講生を意図的に利用させてもらい目的を達成しました。

自信がつくというのは英会話においてとても大事で、クラスの前で堂々と話せるようになると、仕事でもそのように振舞うことができます。上司に「へらじか、少ししゃべれるようになってきたんじゃない?」なんて言われると、いい年してやっぱりうれしいので、学習意欲も再燃します。

 

褒めてもらう機会を買うという発想

一人で音読だけを続けられる鉄の意志を持っている人は別にして、やはり人間、ほめられたり悦に浸る場面があるほうがテンションを維持しやすいです。

ただし、いい大人なのでなかなかほめられる場面はありません。勉強するだけで偉いといわれるのは学生まで。

だったら、「褒め」を買っちゃいましょう。3-4万円くらいの投資で話す機会と褒められる機会を買うのなら安いものだと、自分は考えましたし、2回も実行しました。

結果は希望通りいまの駐在員のポジションに就けたので、一定の効果が合ったのではないかと思います。勉強に絶対は無いのでこれが誰にでも当てはまるかどうかはわかりませんが、ひとつの考え方として参考になれば幸いです。

 

まとめ:鉄の意思が無くても英語はできるし、なんなら駐在もできる

人は楽をする生き物ですし、飽きる生き物です。英語の勉強を始めてそれが続かないなんてとても自然なことです。ポイントは、再開すること。何回やめても何回も戻ってくることが大事だと、経験して思います。

そのときに自分の感情を自分でコントロールするために、自分自身にエサをあげるのはひとつの選択です。15万円は高いけど3-4万円なら、あるいは可能。そんな投資はきっと、長い目で見て費用対効果が高いはず。

音読トレーニングの方はほとんどお金がかからないので、そちらで浮いた分を社会人講座に回すくらいは許容範囲だと思います。トータルでも英会話スクールよりずっと安いですし。

勉強スタイルには個人差がありますし、予算の考え方も人によって異なるのであくまで参考まで。絶対的な方法なんてありません。ただ、伸び悩んだときの一つのアイデアとして参考になれば幸いです。

TOEICがある程度伸びた後、駐在希望を会社にアピールした話はこちらから。

2017年版:TOEIC400点からアメリカ駐在までの自分マーケティング