駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

日本とアメリカ 子供へのお金の教育について感じたこと

f:id:MooseFukui:20180410222945p:plain

駐在員へらじか @moose_fukui です。

Twitter上で4歳のWebショップ店長の話を見ました。自分で考えてお金を得る、という体験を子供たちに積ませたいなと常々思っていたのでとても刺激に。この機会に日米の子供へのお金の教育について感じたことを書きたいと思います。

 

子供のお金の教育についてへらじかのアンテナに引っかかった記事

本エントリーのきっかけになったのはTwitter上に流れてきたこの記事。おもちゃが欲しい、だから自分でお金を稼ぐ。とてもストレートかつ、ビジネスの基礎にして本質だと思います。

 

これと似た話では佐藤ねじさんのお子さんによる「5歳児が値段を決める美術館」は昨年見て、やられたー(いい意味で)と衝撃を受けました。

値付けは経営、という格言のとおり各アイテムの値段を見ているだけで楽しめました。

 

こちらはアメリカの例。Forbesより、子供に対する最も大事な5つのお金のレッスンという記事。

ちなみに、写真に出ている赤いレジスターは我が家にもあります。うちの子たちはアメリカのキャッシュレス社会に慣れているので、おままごともカード払い。

 

日本でのお金の教育は「消費」の教育?

上の記事やTweetへのコメントでも見られましたが、お金を得る、稼ぐことへのネガティブなイメージというのが日本にはまだあるように思います。

自分が子供の頃、30年近く前の親からの教育では、お手伝い(=労働)は善意でするものであって金銭的見返りを求めるなという話をよく聞かされた覚えがあります。

たしかに4歳、5歳の頃にお金だけが行動目的になってしまうのも悲しいので教育としてはいい方針だったのかもしれません。かと言ってその後10歳、15歳になったときにお金の教育を受けたかといわれると、覚えがありません。

自分の扱える範囲のお小遣いや、お年玉をもらった経験はもちろんありますが、それは「消費」の仕方を覚えるためだったような。

高校生の頃にコンサートスタッフのアルバイトをして給料をもらったのが、初めての収入らしい収入の経験だったかと記憶しています。

 

アメリカでのお金の教育は「経済」の教育?

上のForbesの記事の冒頭でも、お金のレッスンは大事だけれど学校では教えてくれないと書いてありました。これは日米共通の課題なのかもしれません。

ただアメリカで暮らしてみて、学校ではなくても日常で子供がお金に触れる機会は日本より多いのではないかという気がします。

例えば、会社のカフェコーナーにはしばしば同僚の子供たちが用意したチョコやキャンディの箱が置かれます。1個取ったら1ドル入れてね、このお金はボーイスカウトの運営資金になるよ、という張り紙付き。1週間もすると数十個が完売します。

休日には子供が家のチャイムをならし、クッキーを訪問販売しに来たり、ダイナーの入り口でも同様にDonationのために子供たちがレモネードを売っているのは良く見る光景。

売上は寄付金や運営費になるので子供たち自身の収益にはならないかもしれないけれど、お菓子や飲み物という価値を提供して1ドルの対価を得るというのは小さくても立派な、そしてとても純粋でストレートな経済活動だなあと思うのです。

日本のお小遣いが「労働に対する報酬」であるのに対して、アメリカの子供たちは売れるものを自分で売るという「小さい経済を回す」という体験をしているように見えます。あくまで感覚論ですが。

これはアメリカの片田舎でのごくごく限られた1シーンを切り取った話であり、都市部では状況も違うのかもしれませんが、自分から見えるアメリカはそのような様子です。

また日本でも、自治会や子ども会なんかで縁日をやって商品・サービスを提供する、経済を回す例もあるので、一概に日<米とも言い切れないとは思います。

 

企業に勤める前に売買は価値の交換だと子供に知ってほしい

大学を出て、大きな企業に就職し、ある部門に配属されるとビジネスの本質を見失ってしまう場合があります。

部門だったり、個人の目標設定というものに目を奪われると、広い意味での経済における企業の役割、価値を生んで対価を得て株主に還元すること、これを忘れがちになります。

そのまま年を重ねて修正が効かなくなってしまう前に、売買は価値の交換だということを身を持って体験することはとても大事なことだと思います。(部門や個人の利益に固執する、大企業社員のなんと多いことか!)

こんな考えを持ち始めたきっかけは、駐在という経験が大きいです。

日本の本社よりも規模の小さいアメリカの拠点で幸いにもビジネスの全体像に触れる機会を持ちました。渡米以来見てきたアメリカ人同僚たちのビジネスセンスや稼ぐ力は、本人の努力はもちろんのこと、小さな頃から経済に触れてきた環境の違いもあるのだろうと思います。

自分の子供たちが将来どんな仕事をするのかわかりませんが、この「センス」は身に付けておくとどこに行っても生きていけるだろうなと。

冒頭で触れた4歳のWebショップ経営者、5歳の美術館館長を見ていると、こうしたストレートな経済の体験というか、商売の本質を体感している子供たちが日本にいるというのがとてもうれしかったので、運用・投資やクレジットカードとは関係ないことについて自由に思ったことを書いてみました。

これからへらじか一家は日本に帰国しますが、上の2人の例を見ていたら、その帰った先でも子供に経済を体験させることができるかもしれないとワクワクした次第です。

 

次の記事は大人のお金の教育。駐在から日本に帰国した後のNISA、iDeCoの運用について調べてまとめました。アメリカに限らず外に出ていて、帰国が決まっている方の参考になれば幸いです。

 

その他、投資や運用・クレジットカードとは全く関係ない記事はこちら。