駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

2017年版メーカー海外駐在員の給与 in アメリカ

駐在員、へらじかです。

今日は本ブログのメインテーマの一つである、海外駐在員の給与や収支について書きたいと思います。わざわざ自分の給与を世にさらす動機はいくつかあるのですが、最も大きいのは自分が赴任する際に駐在員とお金にまつわる情報がなかなか得られなかったことです。

海外生活ではお金に代えられない経験がたくさんできます。一言では表せないほど、異文化の生活は人生観を変えてくれます。

それでも、どんなに綺麗ごとを並べても、生きていくためには容赦なくお金がかかります。特に近年子供が2人続けて産まれた我が家ではそろそろ真剣に考えないといけない時期。そんな時、赴任前にWebで情報が取れないというのは心細いものがありました。

駐在員の給与は額面上以外に、医療費や教育費の補助等明細に表れない部分が多くあり企業ごとに対応も様々です。本記事はある日系メーカーの一例として参考にしていただければ幸いです。

 

まず結論から書きます。

30代前半のマーケティング職、へらじかのアメリカ銀行口座には毎月約$6,000が給与として振り込まれます。

以降シンプルに1ドル=100円換算としますが、約60万円になります。

月収60万円で何が苦しいだと贅沢を言うなと思われるかもしれませんが、もちろんカラクリがあります。

まず大きいのが家賃。この$6,000の中から家賃約$2,200を支払います。日本円換算で約22万円。日本では高額な部類かと思います。CHINTAIのサイトによると世田谷区の3LDK家賃相場が20万円、品川区で22.3万円だそうです。東京23区内でこれですから、地方で22万円も払ったらどれだけの豪邸に住めるのでしょうか。

それじゃあ、へらじかさんはさぞかし良いお宅にお住まいでしょう、と思われるかもしれませんが、この地域では普通の価格です。上を見上げればきりが無く、下もまた同じく。

なにより下に下に行くと、必然的に治安の悪い地域に住むことになります。アメリカの治安の悪い地域というのは日本のそれとは桁違いで、車上荒らしが日常茶飯事、年に数回銃撃戦があるというレベル。

実際に車で20分の距離にそうした地区もあり半額の家賃で住めますが、まさか子連れでそんなところを選べません。安全を金で買うという感覚は赴任して初めて意識をしました。

続いて、水道光熱費として約$400がかかります。季節変動はありますが夏は冷房のために電気代、冬は暖房でガス代がかかるので、平均このくらいです。詳しく言うと水道代、下水代、ごみ処理費、リサイクルごみ費、コミュニティの共益費等々が含まれます。

インターネットとTVは合わせると約$100。TVにお金を払う感覚もアメリカならではです。日本のような豊富な地上波放送はなく、どの家庭もいわゆるケーブルテレビを契約し、チャンネル数に応じた契約プランの支払いをします。

ちなみに我が家はケーブルTVの契約をやめてインターネットTVにしました。使っているのはAmazon Fire TV。Fire TV Stickの初期投資$35だけでランニングコストがかからずに済むのは破格です。良し悪しはありますが、これで月々$50、年間$600(6万円)もの固定費の削減になっているので文句なしです。

Fire TV Stick (New モデル)

Fire TV Stick (New モデル)

 

 そして車。言わずもがな、アメリカでは必需品です。ガソリンスタンド併設の最寄のコンビニまで歩いて30分、最寄のスーパーでは80分ですから。。。

へらじかの車は会社が支給してくれていますが、妻の分は自費購入。実際にはリースとして月々$350を払っています。

住宅選びと同じく、走ればいいやと安い中古車や対衝突性能に乏しいコンパクトカーを買うことも、安全上できません。自分はまだしも、もしも英語に堪能ではない妻が出先で故障したら、もしも巨大なトレーラーやピックアップトラックとぶつかったら、と考えると新車のSUVという選択肢にならざるを得ませんでした。

赴任直後、アメリカの給料が入らない時期に新車を購入するとなると日本の銀行口座からアメリカへ送金する必要があり、日本の預金を極力減らしたくなかったのでリースを選択しました。我が家は外国人の扱いなので、リース料率は一般のアメリカ人向けリースよりも高めに設定されています。

ガソリン代が約$150で、車関係の支出は$500となります。

 

次に養育費。3歳の娘のデイケア(保育園)代が週3日で約$800です。(週5だと$1,000超)年間$9,600、ほとんど100万円です。大学の学費のようですが、保育園です。

ここは異文化で初めて子供を預けるという不安を少しでも減らすため、数件回った中で質の良いところ、少々高めのデイケアを選んでいます。安かろう悪かろうの「悪かろう」のレベルが前述のとおり、日本では考えられないレベルだとすると、ここもやはりお金で安心を買うという選択が働きます。

ちなみに他の及第点の施設でも2割安い程度といったところ。アメリカの物価の高さを感じ取っていただけるかと思います。

 

さて、いったん整理します。

収入計$6,000から支出計$3,950を差し引くと、$2,050が残ります。

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固定費を引いただけでこれですから、ここからさらに生活費がかかります。まとめてみると家賃と教育費の高さを再認識させられます。

収入に着目すると、赴任前は妻も働いてダブルインカムだったのがシングルになっています。単純に経済面だけ見ると、とても痛いです。それでも仕事を辞め、キャリアを中断してまで言葉の通じない国についてきてくれたこと、現地での出産を決意して4人暮らしを実現させている妻には感謝しかありません。

また、自分の勤務体系はExempt Emproyeeに該当するので、残業しても休日出勤しても残業代は付かず、収入は増えません。

 

生活費にまつわる日米の物価の違いについては後日別記事で書きたいと思いますが、結論だけ先取りしてしまうと、家族連れでのアメリカ駐在においては物価の高さゆえ、決して裕福な経済状況にはならないと言えます。

この状況下でいかに支出を減らすか。かつ、どうやって家族の思い出を作るかという観点から行き着いたのが、クレジットカードのボーナスでマイルやホテルのポイントを貯め、旅行することでした。

これまでに60万マイル・ポイント以上貯めることができたので、円換算なら100万円弱の価値があるかと思います。その用途は主に旅行に限られてしまいますが、広い意味での副収入と考えれば、試す価値は十分にあるかと思っています。

 

エントリーの冒頭、給与を世間に公開する動機について触れました。

実はもう一つの大きな動機は、クレジットカードの紹介記事を後日書くためです。その前に、そこに至る過程と背景をリアリティをもって説明する必要があると考えて給与の公開から始めました。これを抜きにただただクレジットカードのおすすめをしても説得力に欠けますし、誰にも刺さらない、何よりフェアではないと考えたからです。

自分がお金持ちだったらマイルに詳しくなることもありませんでしたし、きっとこのブログをはじめることもありませんでした。苦心の末に手にした情報は少なからず誰かの役に立つのではないかと思っています。

まだまだ駆け出しのブログですが、真摯に誰かの役に立つ情報発信をしていきたいという思いからの、給与公開となりました。

 

次回以降、実際にへらじかが作ったクレジットカードの評価やおすすめ記事を順次書いていきたいと思います。 ここまで読んでいただきありがとうございました。

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2017/10/19 追記:日本側給与やボーナスを含めた年収についてまとめました。良ければこちらもご覧ください。

moosefukui.hatenablog.com

次の記事は、旅行費節約の為に陸マイラーとなったへらじかが、50枚を比較検討した中から実際に作ったクレジットカードの一覧です。これらのカードでこれまでに合計70万マイルを獲得しています。

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