駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

2017年版:TOEIC400点からアメリカ駐在までの自分マーケティング

駐在員、へらじかです。

 

前回の自己紹介記事で書いたとおり、入社時点でTOEICが400点(大学生平均が当時420点)、ブレッドとブランケットの聞き取りもままならないために1ヶ月間毎日ブランケットを食べさせられそうになったへらじかが、アメリカ駐在に選ばれた3つの要素を紹介します。

先に書いておくと、具体的な英語勉強方法には触れません。今回は駐在を目指すための考え方、自身のポジショニング戦略、いわば自分マーケティングの考え方についてです。

自分の駐在開始は2015年からですが、記事のタイトルを2017年版としたのは、自社ではまだこの方法が有効だからです。あくまで、自社では。すべての企業にあてはまらないことは承知の上で、境遇の似た誰かの役に立てば万々歳です。

 

【駐在員に選ばれるために重要だった3要素】

1. TOEICの点数を上げる

2. ニッチな分野のエキスパートになる

3. 健康な体を持つ

一つ一つ解説します。

 

 

1. TOEICの点数を上げる

身も蓋も無い言い方ですが、とにかく点数を上げることが大事です。目安は業種・職種によって異なると思いますが、自分の場合は2年で700点まで持っていきました。

誤解の無いように付け加えると、英語が堪能になるとか、ペラペラになることを目指すのではありません。あくまでTOEICという試験で好成績を取ることを主眼に置きます。(もちろんしゃべれるに越したことはありませんが)

同一視される場合もありますが、TOEICの点数がそこそこあることと、英語でコミュニケーションができることは全く別です。ソースは自分。

へらじかのように、日系企業で、海外向け人材の育成が少し遅れている比較的大きな企業においては数字上の見栄えがとても重要でした。実態はどうあれ、駐在に推薦する上司としても、数字で現れるTOEICの結果というのは理由、ひいては言い訳になります。

仮にへらじかがアメリカで使い物にならなかったとしても、推薦した上司はこう言えます。

「TOEICで700点とっていたから、それなりに話せると思った」

「本人の希望もあったし、点数は低いところからあがっていった」

人一人、プラスその家族を海外に駐在に出すには数千万円かかると言われています。その人材選びにおいて失敗しないために、さらには失敗しても言い訳が立つように、点数を示してあげることが上司への優しさなわけです。

この際、TOEICの善し悪しとか是非とかも問題になりません。わかりやすい、数値化された指標を使って安心感を与えるという一つの考え方、テクニックです。

具体的な英語の勉強方法や、へらじかが使った教材は別エントリーで書こうと思います。絶対は無いと思うので、あくまでへらじかの事例として。

 

2. ニッチな分野のエキスパートになる

ある程度大きな規模の会社であれば、複数の事業を持っていると思います。マーケティング的に言うなら金のなる木、負け犬、とかのアレですね。

その中で、花形ではない分野に身を置きます。自分自身のマーケティングとも呼べますが、競争相手が少ない環境に飛び込めば、それだけで自分の価値は相対的に上がります。

例えば、50代ばかりでパソコンの扱いに疎い人が多い職場なら、本人が望まないとしてもだれでもパソコンのエキスパート扱いされるように。ニッチな事業、ニッチな製品の担当になってその知識を付けて、あと少しのTOEICの点数があれば、その事業や製品分野で駐在員が必要になったときに白羽の矢が立つ確率が上がります。

ニッチ分野のエキスパートになることは、駐在中もとても役に立ちます。現地アメリカ人から信頼を得るときにも、その人しか知りえない、考えつかないような強みが一つあるだけで重宝されます。

少なからず駐在員は現地社員からは煙たがられると思うので、信頼を早期に得るためにも何かに尖った人間は順応が早いです。

へらじかはニッチ製品のマーケティング系なので、上に書いたことに照らすと、そこそこの恵まれ具合です。エンジニア系駐在員だとさらにディープな情報や経験を持っているので現地社員が必然と頼ってくるので、それがうらやましいときは多々あります。

子供は理系に育てたい。

 

3. 健康な体を持つ

半分笑い話ですが、駐在の内示を上司からもらう前の数ヶ月間、やたらとへらじかは体調のことを気にかけてもらいました。その時期ちょうど妻が妊娠、出産をしていたのもあって上司がやたらと奥さんは、子供は元気かと聞いてくれて、なんて優しい人なんだろうと思っていました。

なんのことはなくて、駐在に出しても問題ないような健康状態かを気にしていただけなんだと、後で気がつきました。

環境の変化が大きい駐在では、本人も、家族も、健康が第一。いろんな意味でのタフさが必要になります。

元気が取り柄です!みたいなアピールは今時流行らないかもしれませんが、ここぞという場面では改めて必要になったりします。そのときは家族の健康についても、しれっと挟むと効果的かもしれません。

 

このエントリーを書こうと思った理由は、いま日本の本社で駐在希望者が少ないという話を聞いたから。

なんだか、もったいないなあ、来てみたらいいのになあと、へらじかは思うわけです。

海外は偉い!英語は大事だ!と押し付ける気は更々ありませんし、駐在員が偉いなんて大いなる勘違いなので、ゴリゴリ勧める気はありません。この後のキャリアになるかどうかも、現在進行形で駐在中の自分にはまだわかりません。

 

ただその中で言えるのは、40年の会社員人生、その先数十年の余生を考えたら、いま数年くらいは違う視点で世界を見てみませんかということ。自分のためにも家族のためにも、考え方が全く違う人たちの中で生きていくというお金で買えない経験ができると思うよ、という、やわらかめのお勧めをしています。

アメリカ駐在の苦労(主に金銭面)についてはいずれ書きます。

 

会社員は社畜なんて自虐的な言い方がありますよね。会社の犬とも言ったり。

へらじかは、駐在員は空飛ぶ社畜だと思ってます。伝書鳩でもいいかも。日系企業に勤めて海外の販社に行く場合は特にそうかと。

日本という柵の中で走る犬か、情報交換のために空を飛ぶ鳩かの違いはあれど、基本的には変わりないように思います。

おなじ社畜なら飛ばにゃ損じゃないですか。

大きな角で、へらじかは今日も羽ばたきます。

 

へらじか