海外赴任者の帰国後の資産運用 NISAやiDeCoを活用するメリット
駐在員へらじか @moose_fukui です。
本帰国後の資産運用プランとして日本の税制優遇制度、NISAやiDeCoについて改めて調べました。Twitter上でも有用なコメントをいただき、埋もれるともったいないので記事に。結論としては帰国してすぐにiDeCo開始、翌年からNISA開始となりそうです。
- 調査の動機:駐在中に日本で眠っていた資産にも働いて欲しい
- iDeCoに加入できる人の条件と海外在住のケース
- NISAに加入できる人の条件と海外在住のケース
- 海外駐在=非居住者だと税制優遇は受けづらい?
- へらじかの勤務先では企業型確定拠出と個人型確定拠出(iDeCo)の併用はNG
- まとめ: 海外居住者・駐在員がNISA・iDeCo活用のために行う3ステップ
調査の動機:駐在中に日本で眠っていた資産にも働いて欲しい
へらじかは2015年からアメリカに駐在しています。つい先日 「アメリカ在住 日系メーカー駐在員の投資額と預貯金額(2018年3月)」の中にも書いたとおり、アメリカで持っている3万ドル (約300万円) の資産のうち6割ほどを運用しています。
一方で、日本に残る円建ての資産約800万円はこの数年全く働いていません。メガバンクの口座の中で年間数十円の利息が付くだけの、もったいない状況。もちろん元本を減らさない安全資産という観点で預金は重要なのですが、割合が100%安全資産というのも考えもの。
帰国したらこのうちの100-200万円ほどを運用するため、税制優遇措置であるiDeCoやNISAについて調べてみました。
この記事は
・現在海外駐在をしていて
・帰任が近く
・日本への帰国後に税制優遇を活かして資産運用する人向け
という超ニッチな情報ですが、一定数の需要はあるはず。
iDeCoに加入できる人の条件と海外在住のケース
Google検索で「すでにNISAやiDeCoを活用していけれどこれから海外へ出る人」向けのアドバイスがありました。まずはiDeCoについて。
帰国後のためのお勉強。iDeCoは原則、非居住者は資格喪失。でも勤務先で厚生年金に入っていれば継続できると。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月16日
将来の2回目の駐在可能性も考えると、マッチしそう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者が非居住者になるとどうなる? https://t.co/dlvP2tuS8Z
赴任期間が5年以内の場合は一時派遣として日本の社会保障制度に加入すると。5年をこえると国民/厚生年金から外れるからiDeCoの拠出ができなくなる。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月16日
それでも解約にならず、運用指図者としてキープできるから選択肢としてアリな気がする。https://t.co/X8JfTkXRFi
これらの情報を合わせると、海外赴任者であっても 勤め先で厚生年金に加入している場合は駐在期間5年まではiDeCoの拠出が可能、ということになります。
へらじかのケースでは、帰国後にiDeCoを始めて、仮に2回目の海外駐在があってもそれが5年以内なら継続して拠出ができそうです。
これは、iDeCoが年金の性質をもっているためと解釈しました。別名個人型確定拠出年金なので60歳まで積み立てができる(しやすい)制度設計になっている模様。
NISAに加入できる人の条件と海外在住のケース
続いてNISAです。
一方のNISAは赴任時に原則解約。特定口座を経て一般口座に移せば帰任時に特定に戻せるらしいけど、これは手間だなあ。。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月16日
海外赴任中でもNISAはできますか? | NISA・つみたてNISAを始める時の相談事例 | 相談事例集|確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例https://t.co/XRxeKOeToT
こちらの記事も良かった。帰国後しばらくは日本だろうから通常NISAを並行活用して5年間運用はアリかも。つみたてNISAはライフスタイル考えるとメリットを活かせなさそう。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月16日
NISAとiDeCoはどちらが有利ですか? | 確定拠出年金(企業型・iDeCo・個人型)の相談事例https://t.co/3CRprrShSf
これらの情報をまとめると、NISAの場合は出国時点で原則解約。そして帰任の場合、1月1日に日本に住民票があったかどうかで加入可否が判断されるため、年の途中で帰国した場合は年明けまで加入資格が無いということになります。
へらじかの場合だと、2018年中に帰国するので2019年からの加入ということになりそう。そして仮に次の海外駐在があるとすると、その時点で解約ということに。
2度目の駐在があるかどうか、いつ辞令がでるかもわかりませんが、期間が5年のNISAなら途中解約することは少なそう。一方のつみたてNISAは20年と期間が長いために途中で海外赴任、解約になってしまいそう。
年金が主軸になっているiDeCoに比べて、運用益に対する減税によって投資を加速させるNISAの制度設計はあくまで日本に居住し日本で税金を納める人向けと言えます。
海外駐在=非居住者だと税制優遇は受けづらい?
現在へらじかは住民税を払っていません。住民税は前年の居住地へ前年の所得に基づいて納めるので、帰国後も2019年になるまで支払うことはありません。
そうなると、iDeCoは2019年になってから始めたほうが税金面でメリットがあるのかなと考えました。
帰国後しばらくは住民税がかからないはずだからiDeCo掛金の減税メリットは得づらい。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月17日
NISAはNISAで1月1日時点の日本居住者が加入条件だから、2018年は入れない。
こうなると帰国の年は税制優遇の恩恵はあまり受けられない?今年はアメリカのロボアドバイザーを厚くしながら気長に検討が正解かも。
ここで、税金のプロであり米国で働かれているケンジさん@sorakogeから貴重なアドバイス。
iDeCoは小規模企業共済等掛金控除なので、大丈夫ですよ。帰国年から受けられます。住民税は前年所得ベースで一年遅れなので、帰国年から開始するメリットありです。
— Kenji@米国駐在中 積立投資 マイル (@sorakoge) 2018年3月17日
もっとも加入出来ればですが。そもそも国民年金の加入者であれば、税制メリットないですが確か非居住者でもiDeCoは加入出来ますよ。私は入っているので、帰国した月から即所得控除を取ります。小さいですけどね。。
— Kenji@米国駐在中 積立投資 マイル (@sorakoge) 2018年3月17日
つまり、2018年から拠出をはじめていれば、2019年の税金が計算される際に所得から拠出分が引かれる=減税効果がある、ということです。
なるほど!前年所得ベースで計算される際に掛金分の控除が発生するという理解で合ってますか?だとするとたしかに帰国年から開始すべきですね。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月17日
ただし、勤め先ですでに企業型確定拠出年金制度がある場合は、個人型の併用が可能かどうかを確認する必要があります。
企業型~の規約に個人型もOKという旨の記載がなければNG。
加入できれば、の部分しっかり確認したいと思います。勤め先で企業型確定拠出年金にすでに加入しているので、個人型が併用可能かどうかと金額をまずは聞いてみます。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年3月17日
ケンジさんのご意見、非常に参考になります!
へらじかの勤務先では企業型確定拠出と個人型確定拠出(iDeCo)の併用はNG
上記アドバイスをうけて数日。日本の本社に確認したところ、残念ながら規約中に併用可の記載が無いので個人型(iDeCo)への加入はできないということが判明しました。
日本本社からの回答。企業型確定拠出年金の規約の中で、個人型も可能という記述がないため併用はできないとのこと。これでiDeCoの積み増しはできないということに。
— 駐在員へらじか@マイルと株と仮想通貨と (@moose_fukui) 2018年4月2日
仕方ないので来年からNISAがんばります。 https://t.co/gZvk6sQlsO
iDeCoが始まったのは2017年から。企業型~の規約はまだ、個人型であるiDeCo併用のケースに対応できていないのかもしれません。
今後規約が改定されることを期待しつつ、まずは年明け2019年からNISAを活用していく方針です。
まとめ: 海外居住者・駐在員がNISA・iDeCo活用のために行う3ステップ
1. 帰任時期が決まり、企業型確定拠出制度が会社にある場合は規約をチェック
2. 規約中で個人型併用が許されていれば、帰任した年からiDeCoに加入
3. 帰任した翌年からNISA (含む積立NISA、ジュニアNISA) に加入
この3つが、海外から日本に帰国する際に最も税制優遇が受けられる流れとなるはずです。
この情報はアメリカ以外の国に駐在されている方にももちろん当てはまるので、情報を活用いただき、また誤りがあればご指摘をいただければ幸いです。
次の記事はアメリカでの株式・ETF投資について、Firstradeの口座開設方法をまとめた記事です。当面は米国の資産のみを運用し、帰任後も口座はキープする予定。
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