駐在員へらじかのアメリカ生活、子育て、マイルの記録

妻と2人の子供と2015-2018年にアメリカ駐在していた30代前半サラリーマンの記録。 物価が高い先進国での金銭事情、子育てと英語教育、旅行費節約のため2年で80万マイル獲得したノウハウなどを在米の皆さんに活用してもらえれば幸い。

3歳&1歳子連れグランドキャニオン旅行 ホテルとフライト24万円分無料化の完全ガイド

駐在員へらじか(@moose_fukui)です。
2017年11月のサンクスギビング休暇を利用して家族4人でグランドキャニオンへ旅行して来ました。
グランドキャニオンの感想だけならすでにたくさんの旅行記が存在しますが、加えて3歳と1歳の子連れで楽しむためのノウハウや、マイルを駆使して数十万円を節約をするための準備など、自身の知識を加えた完全ガイドと称してまとめました。
ツアーではなく個人旅行だったので、フライト、ホテル、レンタカーの手配など全て自分で行なっています。これらの手順をまとめた「計画編」が他の旅行記には無い、この記事のキモです。
少し長い記事になってしまいましたが、それだけ行く価値があると強く、強くオススメできるスポットです。これから計画される方への参考になれば幸いです。

旅行記編

砂漠の町フェニックスではターゲットで水を大量購入

11月も終わりだというのに、フェニックスの最高気温は30度。日差しもカンカンで、空気はひどく乾燥しています。車に乗っているだけでも喉が乾くので水分補給が大事。グランドキャニオンに向かう前にターゲットでケースの水を買いました。

アメリカあるあるですが、観光地や空港、ホテルの冷えた水はボトル1本で3-4ドル。同じ値段でウォルマートやターゲットでは24本以上買えます。
水に50ドル以上払っても問題ないセレブを除き、街にいるうちに水は買いだめ推奨。我が家は5泊6日で30本飲み切りました。
 

絶景ドライブとスピード違反

フェニックスから北へ300マイル、グランドキャニオンを目指します。
はじめはフェニックス市内でサボテンの山に感動。4-5メートルの高さのサボテンが大量に生えていて、人生で何万本ものサボテンを一度に視界に捉えることがあるとは想像もしていませんでした。
次第に標高があがるにつれて高原の雰囲気になり、生えている植物が変わってくるのが楽しめます。
途中、フラッグスタッフという町でランチ休憩。Chick-fil-Aに寄り、チキンフィレサンドとサラダで済ませます。
このお店、アメリカのファストフードチェーンの人気ランキングで最近スターバックスを抜いて首位になったことで有名です。
他のお店に比べてヘルシーで、サラダも充実していて野菜がとれるので我が家は普段のお出かけでも頻繁に利用します。
衛生管理もしっかりしている印象で、清掃が頻繁に入る他、幼児用の使い捨てテーブルクロスやハイチェアを拭くための消毒ワイプがあり、トイレのドアは手の清潔を保つため肘で開けられるようになっています。
できたら株主になりたいレベルですが、残念ながら非上場。日曜定休に注意。
 
フラッグスタッフから先のルート64は片側1車線。たまに追い越しのために一時的に2車線になりますが、この2車線部分で警察が網を張っているので注意。追い越しレーンのたびに速度違反で捕まってる人を見かけました。広いアリゾナですからのんびりいきましょう。
翌日通ったフラッグスタッフからアンテロープキャニオンへの道、ルート89でも同じように1車線から2車線になった直後のところで取り締まりをしていました。
 

グランドキャニオンの夕日で泣く

この日の目的地、グランドキャニオンに到着したのは日没の30分前。朝は半袖を着てターゲットで水を買っていたのが嘘のように、高い標高のためにめちゃくちゃ寒いです。11月下旬だとダウンを着てちょうどいいくらい。
絶景ポイントが4-5箇所あるうち、ビジターセンターから近いマーサーポイントでグランドキャニオンを鑑賞しましたが、言葉を失う迫力でした。

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車でずっと山道を登ってきた高さの分、谷の向こうはものすごい落差。
想像より深くて、広くて、静かで、人間の力なんかめちゃくちゃちっぽけなものに思われて、なんだか勝手に涙が出ました。
事前にYou Tubeで予習してたはずが、いくら4Kテクノロジーが発達してもモニター越しじゃ伝わらないものってあるんだなと再確認。
最近特に個人投資で利回りとか手数料とか、0.1%の細かい数字の世界ばかり見ていたのもきっと一因。資産を増やすこと=所有することに躍起になっていた自分に気付かされたというか。
水と風が何千年まかけて作り上げた景色は、真似も所有もできない、圧倒的な存在でした。
映画や漫画のシーンを頭に入れていても、さらに上回る圧倒的な大きさと深さと幅広さのグランドキャニオン。空想を超える世界が広がっています。知ったつもりにならずに見る価値のある光景です。
水と風で削れた赤い岩肌の地層が、夕陽を浴びてさらに赤く染まるのを見届けて、山を降りました。

 

グランドキャニオンのホテル事情2018: 夜道の運転で消耗しないために

グランドキャニオン国立公園内に宿が取れなかったので、日没後にフラッグスタッフまで1時間かけて戻りました。運転は妻がしてくれたのですが、知らない道で街灯なし、先行車、後続車無しの完全暗闇ドライブには集中力を要します。ホテルについて妻は疲労でダウン。
この反省から、グランドキャニオンの夕陽を見たい場合、前々から国立公園内にホテルを予約しておくのをオススメします。観光は昼間で良いのであれば麓の町のホテルで良いかと。麓の方が食事のオプションも多いので、明るいうちに下山するのが無難です。
 

ナバホ族の聖地アンテロープキャニオンに子連れで行くなら予約推奨

翌朝はさらに北上して、アンテロープキャニオンへのドライブ。景色は高原から赤岩に変わります。
道端に時々ナバホ族の仮設店舗やテントが立っていて、アクセサリーや陶器を販売してます。おみやげを見たいと言っていた妻は昨夜の疲れから助手席でダウンしていたので、パスしました。
ロウワーアンテロープキャニオンに到着したのは正午ごろ。二つあるツアー会社の奥の方Ken's Toursを直感でチョイスしましたが、混雑のためツアーに参加できるのは午後3時からとのこと。
我が家は子供のペースが読みきれなかったので当日参加をチョイスしましたが、事前予約があればもう少し早く入れそうだったので、到着時刻のコントロールができるなら事前のネット予約をおすすめします。ナバホ族居留地のため、ツアーガイドの先導がないと入ることができません。
午後3時に再訪し、ツアースタート。10人くらいのグループになり、イケメンナバホ族ガイドについていきます。谷底に降りる手前に足場が組んでありますが、そこまでは数分の距離。

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アンテロープキャニオンの階段は急なので、子供は抱っこ推奨。

 

その足場でまた順番待ちがあったので、最終的に見学を始めたのは4時半くらい。子供達は赤岩、赤砂で遊んでました。
谷底に降りるとそこは別世界。風と砂で削られた地層を見上げながら、時に広く、時に狭い隙間を岩に手をつきながら進んでいきます。
赤い岩盤と、それに切り取られた青い空のコントラストが美しい。手をついた壁状の岩はひんやりとしていて、砂漠にいるのを忘れさせてくれます。

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ロウワーアンテロープキャニオンを下から見上げる。階段以外の場所なら撮影は自由。

狭い箇所では肩や、背中のリュックを岩にこするので注意。カメラなんかも首から下げてると岩に当たるかもしれません。

要所要所でイケメンが解説、写真撮影をしてくれて、かなりサービス精神旺盛な印象。ナバホ「族」っていうくらいだし、聖地らしいし、もっと物々しい感じを想像してたけどとてもフレンドリー。
あとナバホ族、想定外にITリテラシー高いです。ツアー参加者の携帯の機種ごとに最適な設定で美麗な写真を撮ってくれます。比較画像はこれ。

小一時間ほど子供を抱っこ紐に入れながら歩きましたが、疲れは感じない程度でした。急な階段を除けば危ないところは無いので、子連れでも問題なしと言えます。
12歳以下の子供はツアー無料だったので、大人2名でたしか66ドル。ツアー代とナバホ税というのが入っていますが内容の満足度を考えると全然高くはないかなと思えます。
二社あるうちの手前にあるツアーは利用しませんでしたが、クレジットカードが使えた模様。へらじかが使った奥の方、Ken's Toursは現金オンリーでした。
 

ホースシューベンドを3-4歳の子にオススメしない理由

正午から午後3時、アンテロープキャニオンのツアー待ちの間はホースシューベンドを見てました。車で15分の距離なので、1日に両方見るのが定番のよう。
グーグルマップに沿って向かうと大きな駐車場があります。車はそこに停めて歩くのですが、景色のスケールが大きいせいか、または絶景の運転で距離感が狂ってるのか、近くに見える目的地まで、意外と遠いです。

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ホースシューベンド遠景。奥の穴ぼこが目的地。

 

5分くらいで着くだろうと水も持たずに歩き始めたのですが、結果片道20分くらい。しかも下の子を抱っこ紐に入れつつ、砂に足を取られて歩きたくなくなってしまった上の子を抱えて、合計20数kgの負荷をかけながら砂漠を登って、降ります。すれ違う各国の旅行者に笑われたり、心配されたり、同情されたりしながら、休憩を挟みつつ砂場トレーニング。
ようやくたどり着いたホースシューベンド、なんと安全柵が全くありません。名前の通り馬の蹄のように曲がった川を見下すのが醍醐味なのですが、崖に近づかないといい感じの景色が見えません。でも身を乗り出したら普通に落ちます。まず助からない落差。
目の前でGoProを持ったカップルが断崖に腰掛けて足をプラプラやってましたが、見てるこっちが震えました。

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ホースシューベンドを見下ろす。

娘は怯えて崖に近づかず。一方息子は抱っこ紐の中で身を乗り出して景色を見ようと動くのでこっちは落下しないように必死。崖ギリギリを攻めたら親子共々ダイブです。

景色は綺麗なのですが、小さい子連れで行くには不向きかもしれません。うちの娘は慎重なほうなのでまだよかったですが、親の手を振り切って走って行っちゃうタイプの3-4歳の子にはおすすめしません。2歳以下なら抱っこ紐でホールド推奨。
 
帰りも喉がカラカラになりながら子供2人を抱えて駐車場まで砂地トレーニングでした。全体的に、辛かった。
せめて親子で1on1なら良かったのですが、妻は前日の暗闇ドライブで消耗したせいか風邪をひき、完全に戦力外。小さい子供が3人以上いる家庭にもおすすめはしないかなーという感じです。片道20分は砂地なのでベビーカー(ストローラー)も使えません。
それでも、来てよかったと妻が言ってくれたのが不幸中の幸い。
 
 

モニュメントバレーの星空と朝焼けに見とれる

アンテロープキャニオンやホースシューベンドからモニュメントバレーまでは約2時間半のドライブ。助手席の妻は沈みかけの夕日と、空の色の変化に見とれていました。

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モニュメントバレーにあるビューホテルへの道中に見た夕日。

何にもない道をずっと走りますが、たまに思い出したように交差点があり、その周りだけガソリンスタンドやファストフードがあるので給油や休憩は可能です。

ちなみにお客さんも店員もナバホ族ばかり。アメリカという同じ国の中なのに、まるで異国に来たかのような情緒を楽しめます。みんな英語は普通に通じるので安心。
目的地、ビューホテルの駐車場に着いたのは夜7時。この時点で満天の星空が見えました。
ビューホテルはモニュメントバレーというナバホ族居留地内にあるホテル。岩と砂しかない赤土の砂漠の中にポツンと建つホテルです。
部屋にチェックインして驚いたのが、全部屋のテラスから星空がよく見える作りになっていたこと。
ホテルの西側は駐車場なので街灯があるけれど、東側は星空を邪魔しないために一切のライトなし。ホテルの周りには何の施設も無く、標高が高く、埃も少ないという好条件が揃っているために、最高の星空がみえます。
この条件だと、見上げなくても地平線の高さに星が見えます。文字にするとなんてことないんですが、目線の高さに浮かぶ星の実物を見ると感動もの。目視できる星の数はプラネタリウムを超えてるんじゃないかと思うくらい多く、思わず星空撮影にトライしたほど。
子供達を寝かせて、夫婦で厚着して部屋のテラスから星空をずっと眺めてました。
星空写真は素人撮影ですが、地平線まで星が見える様子が少しでも伝われば幸い。

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ビューホテルのテラスから見た星空。右手前にぼんやり写っているのはへらじか。

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シャッター開放を長めにしたバージョン。巨岩の上には流れ星。


翌朝は早起き。夜は見えなかったモニュメントバレーの岩の輪郭が朝焼けに映えます。

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カメラを担いで外に行かなくても、部屋からこれが見れるのが醍醐味。


この景色をホテルの部屋から見れてしまうのが贅沢。部屋のテラスの真正面がこれです。

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モニュメントバレーの絶景を部屋から一望。

セドナのパワースポットで子連れトレイル

昼前までモニュメントバレーの景色を堪能した後はセドナへ移動。フェニックス市内の方向へ戻るかたち。
フラッグスタッフを過ぎた後ルート89Aに入ると急に木が多くなり、涼しげな林道とロッジ、カフェが多くなります。白人のリゾート観光客が増えて、ナバホ感は薄れます。ナバホ族のお土産が欲しい人はセドナまで南下する前に買っておくことを推奨
そしてこのルート89A、日光いろは坂のようなつづら折りの道があるのでスピードには注意を。これまでの反省を活かして午後の明るいうちに通れたので良かったですが、夜だと運転には細心の注意が必要そうです。

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セドナいろは坂のヘアピンカーブ

セドナの中心地はお土産屋、アイスクリーム屋、飲食店など、アリゾナ感はありません。欧米化と観光地化が進み過ぎて、特色のないただの保養地になっちゃっている印象を受けました。
ホテルは中心から外れたホリデイインエクスプレス。新築かリフォーム済みか、内装がとても綺麗でした。もちろんここでもクレジットカードでもらったポイントを使用して無料宿泊。
 
翌朝はボルテックスというパワースポットを巡りました。各スポットにはトレイルコースの目印と駐車場があるので車でめぐりやすいですが、駐車スペースはあまり広くないので朝早くがオススメです。
この日はサンクスギビング当日だったので駐車場無料。居合わせた知らないおじさんと、おれたちついてるなと喜びを共有しました。
ホテル近くのベルロックは中腹まで制覇。途中少し助けましたが、3歳の娘は自分で歩けました。中腹からでもこの景色。

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ベルロック中腹までは3歳児の足でも登れます。

中心街からも離れているので、純粋にセドナの自然が楽しめます。気温はたぶん20度くらい、日差しは強いですが水をしっかりとれば、心地よい気温のなかで山道や岩の上を散歩できます。

頂上までは子供の足では厳しそうだったので、中ほどまで。

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ベルロック頂上を見上げる。トレイルコースには目印があるので迷わない。

 

続いてボルテックスのなかでも最強のパワーを持つとか持たないとか言われるBoynton Canyonへ(妻調べ)。
Googleマップによると駐車場から頂上まで歩いて15分とのことで、せっかくなので踏破を目指して出発。
水もしっかり持って臨みましたが、道を間違えたらしく1時間以上トレイルするはめに。途中で引き返して正解のルートに戻り、10kg近い子供を抱っこ紐に入れながらトータル2時間のハードな道のり。
ただ本当はそんなにハードではないので、案内を見過ごさなければ往復30分くらいです。頂上からの景色はこちら。

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ボイントンキャニオン頂上からの眺め。
真の頂上は岩の上。よじ登ってる中高生もいましたが、一方で尻込みして登れない中高生も。そのくらいの危険度です。こちらは予想外の往復2時間トレイルの直後だったので足はガタガタ。岩のてっぺん踏破については大人の判断をしました。
 
妻の事前リサーチによると、ハートガイと呼ばれる妙齢の男性が時々現れるそう。
ボルテックスのパワーを伝えるためにハート形に削った赤岩をトレイルルート上の木々に飾ったり、訪れる人たちに手渡すとのこと。そんな伝道師にもし日本で遭遇したら120%無視する自信がありますが、成立してしまうのがアメリカという国の広さ。会ったら会ったで話の種にしたいなと心のどこかで願いつつ頂上まで行きましたが、残念ながら今回会うことはできませんでした。
 
地球の磁場が集中しているというボルテックス。自分も妻も残念ながらその神秘のパワーは感じとれませんでしたが、広くて青い空、赤い岩肌、山から見下ろす木々の緑という雄大な自然のなかで汗をかいて、心身ともに心地よくなったのだけは間違いありません。あるいはこれがパワースポットとよばれる所以なのかもしれません。
パワー感じとれない系の方、お子さん連れにも散歩、トレイルのコースとしてオススメできます
 

計画編

ツアーか個人旅行か

グランドキャニオン国立公園に代表されるアリゾナ州の観光地はグランドサークルと呼ばれ、壮大な自然を満喫するスポットとして人気が高く、国内外から多くの観光ツアーが組まれています。
ポピュラーなのは西に位置するラスベガスか南に位置するフェニックスを起点としたツアーで、立ち寄るスポットの数に応じて日帰りから5泊くらいまで。バスツアーも、セスナやヘリの空のツアーもあります。
これらのツアーを利用される方には準備編は丸々要らないので読み飛ばしてください。
ツアーの利点は自分で運転しなくていいことと、旅程を組む手間がない事かと思います。メジャーなスポットとスポットの間は200-300マイル(300-500km)離れているので長時間のドライブが得意ではない方にはツアーが良いと思います。
ツアーの欠点は各スポットでの散策時間が限られていることと、団体行動であること。この2点は幼児2人連れのへらじか家には致命的で、トイレのタイミングや昼寝の時間確保で子供に負担をかけたくなく、また団体バスで子供がギャン泣きしたら周りにも迷惑をかけてしまうので個人旅行にしました。
結果は大正解。自分たちのペースできままにスケジュールを変えられるし、子供が予定通り動いてくれなくても(予定通り動く幼児なんていなそうですが)全く気になりません。
以降、フェニックスを起点とした子連れ個人旅行の組み立て方をまとめます。
 

まずはキーとなる二ヶ所のホテルの予約から

アメリカでメジャーな大手ホテルチェーンのマリオット、ヒルトン、IHG系列はグランドサークルにたくさんあり、旅行直前でもどこかには泊まれます。ただ国立公園内もしくはナバホ族居留地に泊まろうとすると、ホテルが限られます。
絶景を楽しむために外せない二か所のホテルは、グランドキャニオン国立公園内のロッジと、モニュメントバレーのビューホテルです。
繁忙期の場合は1年前から予約が埋まると言われるほどなので、とにもかくにもこの二ヶ所を押さえることから始めます。
へらじかは3ヶ月前から企画して、ビューホテルは運良く空きあり、グランドキャニオンの方は空きなしという結果。
グランドキャニオンについては車で1時間ほど走ったフラッグスタッフという町まで戻ればホテルもレストランもたくさんあるので、公園内の宿泊はマストではありません。(前述の夜道の運転の怖さはありますが。。。) 
それぞれ公式サイトから、クレジットカードがあれば予約が可能です。

クレジットカードを作成し必要なマイルを獲得

以前「アメリカではマイルは夫婦2人で貯めるのが効率的な3つの理由」の記事で書きましたが、へらじか家は夫婦それぞれがクレジットカードを作成して累計80万マイルをもらっています。カードの年会費は無料のものを選んでいるので、元手がタダで大量マイルがもらえるのはアメリカ在住者の圧倒的な強みです。
これを活かして、今回のフライトはほぼ無料(税金のみ、計30ドルほど)、ホテルはビューホテル以外すべてタダにでき、合計約24万円分の節約に成功しました。
以下の手順にトータルで3-4ヶ月かかるので、もし来春にマイルを使って無料で旅行したい場合には12月のいまからプロセスを回し始める必要があります。
以下の例は、デルタ航空もしくはアメリカン航空のクレジットカードを想定しています。
 
[カード作成とマイル獲得の手順(簡易版)]
1. 夫婦どちらかがカード作成
2. そのカードを買い物で3,000ドル以上使う
3. もう片方がカードを作成
4. そのカードを買い物で3,000ドル以上使う
5. 4-8週間後に60,000マイルが付与される
 
夫婦それぞれがカードを作成できるので、これで合計12万マイル獲得。
移動距離によりますが家族3-4名分のフライトが無料になります。(税金だけ、1人10ドルくらいかかります)
アメリカの大手航空会社3社のクレジットカードのうち、2018年9月現在ではアメリカンとデルタ航空が過去最大の6万マイルのキャンペーン中です。ユナイテッドはキャンペーンを打たずに4万マイルのなので、若干ビハインド。
テクニックとして、上記手順の3番で夫婦間で紹介し合うとReferralボーナス1万マイルが追加されトータルで13万マイル獲得できます。
アメリカン航空のカードは残念ながら紹介制度がないので、13万マイルを狙う方はデルタ航空のカードがいいかと思います。

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デルタ航空の6万マイルキャンペーンは2018年11月7日までなので、申し込みはお早めに。ギリギリになって夫婦同時に申し込むと紹介ボーナスがもらえない上に、3,000ドル使用のノルマが二重に課せられて6,000ドルになるので達成が難しくなります。 
申込みはAmexのサイトから。
上記紹介リンクを使用された方がクレジットカードに申込み承認されると、へらじかが紹介ボーナスとしてマイルを獲得します。Amex公式サイトから申込む場合にはボーナスマイルが5万マイルに減ってしまうので、お好みの方をお使いください。
  

旅程は無理のない移動距離を考慮して

個人旅行の場合、広大なアリゾナの大地を自分で運転しなくてはなりません。長距離を走ると疲れも出ますし、目的地に早く着こうと焦って無理なスピードを出すと事故や速度違反の恐れもあります。
移動距離と所要時間の関係はおおよそ1マイル=1分くらいと考えておいて良いと思います。
道中渋滞はほとんどありませんでしたが、トイレ休憩を考慮するとだいたいこのくらい。これをもとに作成したへらじかの旅程は以下の通りです。

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グランドキャニオン旅行スケジュールと運転ルート

 

メジャーな観光スポットと次のスポットの間がだいたい200マイルくらいなので、1日に1箇所か2箇所までに抑えました。
見たいスポットが増えるほど日数も必要になります。自分の周りでは1週間前後の日程で行く人が多い印象です。
ラスベガスから入ってフェニックスから帰るとか、その逆のように違う空港を使うのも定番のルート。ただちょうど計画中にラスベガスでの銃撃事件がありイメージが悪く、模倣犯のリスクも無いとは言い切れないかなと考えてラスベガスは避け、フェニックスIn-Outで旅程を組みました。
1日の移動距離は300-400マイル=5-6時間程度に抑えています。これで夫婦で交代しながら走りました。ドライバーがどちらか一方だけだと、かなり疲れるかもしれません。
 

朝食付きホテルは特に子連れグランドキャニオン旅行にオススメ

フライトが決まり、見たいスポットが決まったらおおよその日程が決められるので、次はホテルを予約します。
持論ですが、子連れ旅行の場合ホテルで朝食がとれるのはマストの条件だと思っています。
ホテル外のカフェやダイナーで朝食というのも素敵ですが、子供達を着替えさせて、荷物のパッキングをして車に積み込み、カフェに移動して朝食を食べて、、、とやっていると時間もエネルギーも消費します。気づいたら10時とか。
これに対し、ホテル朝食なら着替えて食べて、一旦部屋に戻って歯を磨かせて出発できるので観光に時間を使いやすくなります。
 
アメリカの大手ホテルチェーンは各社とも高級ホテルからリーズナブルなホテルまで幅広いブランドを揃えており、そのミドル~ロークラスホテルに必ず無料朝食付きのブランドがあるのは覚えておいて損はありません。
これらのホテルはクレジットカードのボーナスマイル/ポイントを使って泊まることができ、宿泊と朝食を無料にすることが可能です。簡単に表形式で整理しました。

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表中、ミドル~ローに書いたホテルは朝食付き。クラス分けは各社基準が異なるのでへらじかの主観。

 

今回フラッグスタッフで泊まったエンバシースイーツでは、オーダーしてその場でオムレツを作ってくれるサービスがありました。パンやマフィン、フルーツ、ヨーグルトにコーヒー紅茶もあり、これで無料は十分すぎるレベル。

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オーダーしてから作ってくれるオムレツ他。パンやマフィンも有り。
ヒルトン系列なので、ヒルトンのクレジットカードでもらったポイントのうち3万ポイントを使用して220ドル分が無料になりました。税金も無料なので支払いは完全に0ドルです。
部屋はクイーンベッド2台、寝室とリビング別のスイートタイプなので子供が早く寝てしまってもリビングで電気を点けて過ごせました。
ヒルトンのクレジットカードは年会費永年無料なので、クレジットスコアを高めるためにも持っていて損のないカードです。駐在員の方なら、初期に作ってずっと保有するとクレジットスコアが上がりやすいです。

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へらじか家は夫婦でそれぞれ作成し、紹介ボーナス含めて合計で17万ヒルトンポイントをもらっています。
申し込みはAmexのサイトから。2018年10月現在、過去最高の10万ポイントがもらえます。最初の3ヶ月以内に1,000ドル使用というハードルも低いのでなかなか無いチャンス時期です。
上記紹介リンクを使用された方がクレジットカードに申込み承認されると、へらじかが紹介ボーナスとしてポイントを獲得します。
 
今回はIHG系列のホリデイインエクスプレスも利用しましたが、朝食のグレードはヒルトン系列のエンバシースイーツが若干上。ヒルトンが無料にしては良すぎたという見方も。
IHGのメリットは本当に全米の町どこにでもあるので、どんな田舎町に旅行してもポイントを使って泊まれること。
また、IHGグループには朝食無料ではないですがCrowne Plazaという上級のブランドもあるので少し良いホテルに泊まりたい時にも使えます。今回の旅行でも最終日はポイントを利用してCrowne Plazaに泊まりました。
 
IHGのクレジットカードは年会費89ドル、2年目以降も毎年1泊が無料になるなので、ボーナスマイルで1-2泊するために作っても損はありません。

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→申込みはChaseのサイトから

・年会費$89で、更新するごとにIHG系列ホテル1泊無料特典

・2018年10月現在、過去最高の8万ポイント(最初の3ヶ月で2,000ドル使用が条件)

・MasterカードなのでAMEXが使えないお店でも使える

 

レンタカーは大型車が快適

フライトやホテルに比べると、レンタカー予約は直前でも大丈夫です。へらじかは出発の数日前に完了。使ったのはナショナルレンタカーです。
ナショナルは会員になると、その日その場にある車から自由に選んで乗って行って良いという素敵なシステムがあるので重宝しています。
長距離フライトの後にカウンターに並んで、免許証とクレジットカードを提出して、車種や保険の有無を選んで、、というのは疲れます。子供を待たせるのもネック。ナショナルのサービスならカウンターに並ぶ必要がないのでストレスフリーです。
実際の利用法です。飛行機を降りたらナショナルのガレージに向かい、係の人にエメラルドメンバーだよと伝えれば顔パス。この時点では書類も何も見せる必要はありません。
エメラルドレーンと呼ばれる会員専用エリアに停めてある多数の車から好きな車に乗り込んだ後、ガレージを出るときにはじめて免許証とクレジットカードを見せます。これも、会員登録がすんでいれば1分で終了。

 

今回選んだ車種は日産パスファインダーというSUV。北米仕様、三列シートの広々空間で、後部座席にチャイルドシートを2個つけても、間に大人が座れます。スーツケース二個を積むためには3列目を畳む必要があったので、家族6人以上の場合はもっと大きい車種を選んだ方がいいかと思います。
広々空間により、長時間ドライブでも夫婦どちらかの運転しない方が後部に座り、子供達のケアをしながら走行が可能。また、前後のシート間が広いので子供たちは車内で携帯トイレが使えました。
観光地でトイレを探したり並んだりするのは時間もエネルギーも使いますが、携帯トイレがあれば万事解決。
 

子連れ旅行の必須アイテム

上で書いた携帯トイレは個人的マストアイテムです。行動範囲の制限がなくなるので、小さい子を持つ親にとってはストレスフリー。
サービスエリアでトイレに行かなかった子が走り出したらやっぱり行きたいと言い出すアレに怒ったり困ったりすることがなくなります。
使い方は簡単で、便座状のパーツにビニール袋を被せて用を足すだけ。終わったら袋の口を縛ってゴミに出せば完了。ビニール袋やおしりふきも初日のターゲットで買えます。
うちの奥さんは若干潔癖の気があるので、観光地のトイレより使い捨てのトイレを子供達に使わせることができて幸せそうです。
こんなやつを米アマゾンで買いました。

飛行機内のおもちゃとしては粘土が優秀。めちゃくちゃ間が持ちます。

粘土も水と同様、ターゲットで購入可能。というかターゲットかウォルマートに行っておけばたいていのものは手に入るので、個人旅行の場合は砂漠、山道に繰り出す前に空港の近くで買い出ししておくことをオススメします。

家族の感想とまとめ

妻と子供たちの感想

妻:「もともと自然に興味は無いほうだったけれど、空の広さときれいさを知る旅行になった。家に帰ってからも空を見るようになったし、きれいだと感じるようになった。本の受け売りだけど、若い今のうちに行けたことで今後の人生で何度も思い返して、何十年も楽しめると思う」
娘:「やまにのぼった。ホテルとやまがたのしかった。やまにのぼって、やまに、あたまがごーんってぶつかった」
息子:「ばーごーぉん」(1歳半)
 
風景や自然は子供にはつまらないかと思っていましたが、娘が思いのほか楽しんでくれたのが思わぬ収穫。駐在期間のうちに実際に訪れることができて本当に良かったと思っています。付き合わせた子供達にはクリスマスできちんとお返しをしたいなと思います。
そして妻の「今後数十年思い出して楽しめる」はとても良い言葉だと思っています。楽しい思い出を持ちながらあと何十年も生きられるなんて素敵なことだなと。
 

自分にとってマイルを使って旅行することの意味

へらじかは個人投資をはじめましたが、億り人になって老後はゆっくり旅行したいという考えは持っていません。なぜなら、旅行するなら老後になってからでは遅いから。
長時間のフライトも、山登りも、もちろんできなくはないですが若くて健康な今のほうが楽しめるし無理がないと考えています。リタイヤ直前の両親を見ていて、最近特にそう感じます。
今回の旅行ではマイルとポイントで約24万円分の節約をしましたが、もし同じ額の現金を持ったらきっと、旅行せずに運用に回していたと思います。レンタカー代や食費を入れると30万円超なので、その金額をポンと出すのは躊躇していただろうなと。
現金と違って使途がある程度限られるマイルという形だったからこそ、迷うことなく旅行に使えたのではないかというのが自己分析。
この観点で、貯めたマイルは旅行に使い人生を豊かにし、その浮いたお金は使ったつもりで運用し将来を豊かに、という2軸は良いサイクルを生み出しています。
現在夫婦累計で80万マイルを獲得し旅行に使ってきましたが、キリよく100万マイルを目指して、このサイクルを回して行きたいと思います。
長文を最後までご覧いただきありがとうございました。
 
次の記事ではアメリカでのクレジットカードの作成から、マイル獲得方法までをまとめています。在米の方やこれから渡米される方への参考になれば幸いです。

また参考までに、80万マイル・ポイントを得るために実際にへらじか夫婦が作ったクレジットカード一覧はこちらから。

2018年に日本に帰国し、現在は貯まったマイルでアジア圏への旅行について、たまにつぶやいています。

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